先週からサービス開始となったAmazonのKindle Unlimited(キンドル アンリミテッド)。これは一言でいえば、電子書籍の読み放題サービス。
『Kindle Unlimited』は、12万冊以上の本、コミック、雑誌および120万冊以上の洋書の 中から好きな本を好きなだけお読みいただける、読み放題サービスです。 月額980円でいつでも好きな時にお楽しみいただけます。小説、ビジネス本、実用書、コミック、雑誌、洋書など、新しいジャンルや著者の発見がきっとある はずです。自由で新しい読書の世界をお楽しみください。
ぶっちゃけ、お得なのでしょうか?
ラインナップは和書12万冊以上ということですが、読みたい本が無ければ意味がありません。ですから、まずはお気に入りの著者の作品があるかどうかは要チェックです。もしもお気に入りの著者や気になるトピックの著作が複数あるようでしたら、まず元は取れるのではないでしょうか。
好きな作家でラインナップを調べてみる
著作はコンプリートしたい作家の一人である、伊東潤さんの作品を調べてみました。
読み放題対象の書籍は限られていて、伊東潤さんの著作では3作品のみでした。
「敗者列伝」はすでに読んでいるのですが、「吹けよ風、呼べよ嵐」と「横浜1963」をまだ読んでいなくて早速ゲット。これだけで2,916円分ですから、月額980円を払ってもお得です(最初の1ヵ月は無料)。他にも数点ダウンロードしてみました。
ダウンロードは10点まで
端末にダウンロードしておけるのは常に10点までのリミテッド。それ以上をダウンロードするためには、読了したものや落としたけど読まないものを削除する必要があります。ですから、キンドルアンリミテッドは、「棚ごと持ち帰っても良い電子本屋さん」ではなくて、いわば、「電子書籍の図書館、貸本屋さん」と言えます。
情報やエンタメを「消費」する感覚に近い
所有ではなく消費に近い感覚が電子書籍ならでは。それは主役がレコード/CDからダウンロード販売に移行してしまった音楽と同じような感覚でしょうか。私は電子書籍を年間100点以上購入している反面、紙の本は50点くらいで逆転しているため、電子書籍への心理的抵抗は既にありません。むしろ、気軽に活字が読める環境は大歓迎。リアルな本屋さんも大好きですが、購入する機会の多さから(いつでも買えてしまう)、どうしても電子多数になってしまっています。
読むきっかけになる
読みたい本が月額980円で読めるのも良いのですが、もっと良いのは、「買う勇気がなかなか出ない初めての著者さんの作品や、初めてのシリーズなどにトライするきっかけ」になる点です。定額制なら冒険ができます。
後悔も少なくなる?
電子出版のハードルが低くなっていることもあり、内容が極、極、薄い、ペラペラな内容のものも結構多くなっています(もちろん電子出版のみの良作もたくさんあります)。たとえ100円前後でも、無駄遣いしちゃった感や、ババ引いちゃった感がありますが、定額制ならば、その感覚は緩和されるのかもしれません。
著者の取り分…(汗)
コンテンツの作り手の端くれとしては、著者側の取り分である「ロイヤリティ」も気になるところです。こちらはまだ勉強中なのですが、とても気になる規約がありました。
読者がお客様の本で初めて読んだページ数が、Kindle Unlimited (KU、フランスでは Abonnement Kindle) および Kindle オーナー ライブラリー (KOL) からのロイヤリティの支払い対象になります。読者はお客様の本を何回でも読むことができますが、読者が初めて読んだページ数のみが支払いの対象になりま す。
読者がお客様の本のページを読むには数か月かかることもありますが、かかった期間には関係なく、支払いが発生します。KDP セレクトの登録期間が終了し、再登録しなかった場合も同様です。
なんと、落とした回数(人数)ではなく、「読んだページ数」に応じて支払われるとのこと。「積ん読(つんどく)」な読者さんは、もはやお客様ではないのか…。
これはある意味、出版ビジネスの根幹を揺るがす出来事です。紙や単品の電子書籍の著者たちはどれだけ「つんどく」な読者さんに支えられてきたのか(汗)。
期待したい新しい仕組みではありますが、ラインナップが順調に増えていくのか、こうした仕組みが著者サイドの反発を買って萎んでしまうのか、いろんな意味で注目です。
自動継続ですので退会を忘れずに
このキンドルアンリミテッド、初回1ヵ月は無料ですが、次月からは自動的に、Amazonに登録されたクレジットカードで決済されてしまいます。継続する意思が無くなったら忘れないうちに退会しましょう。なお、退会後は、既にダウンロードした電子書籍は読むことができなくなります。
ですよね…。もう、これだからデジタルは…融通が利かないなぁ、と思いつつも基本的にはデジタル読書の新時代にワクワクしている派であることは間違いありませんし、これまで趣味レベルでの電子書籍代で月に5,000円以上はかかっていましたので、お財布にもプラスの効果がありそうです。
ネット上では早速賛否いろいろ言われていますが、ワタシ的には、アリです。